今日の本

俊平1/50 (タツミコミックス)

俊平1/50 (タツミコミックス)

陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙 1 (双葉文庫)

陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙 1 (双葉文庫)

寒雷ノ坂─ 居眠り磐音江戸双紙 2 (双葉文庫)

寒雷ノ坂─ 居眠り磐音江戸双紙 2 (双葉文庫)

水鏡綺譚

水鏡綺譚



「俊平 1/50」は柳田理科雄が科学監修についているが、考証が中途半端というか、藪をつついて蛇というか……。宇宙の三大定数「光速度」「万有引力定数」「プランク定数」を変化させることによって物体の大きさを50分の1にっ!! というストーリーなのに、そんな普通に、水の粘性がどうの、見かけの力の大きさがどうの、という話ばっかりでいいのか? そんな重箱の隅ばっかりつついてないで、質量保存則ぐらいは指摘してやれよ。身長が50分の1になったからって、体重まで無条件に50分の1になったはずが無かろうが。というか、柳田の科学考証はいつもそうだが、特殊相対性理論の世界にニュートン物理学の常識を持ち込んで云々してる感じ。だからいつも、微妙にずれた感じがする。ひとことで言えば「場違い」か。

佐伯泰英は、前回買っていた「大黒屋総兵衛」がB級ど真ん中な小説だったこともあって、実のところあまり期待していない。しかし「陽炎の辻」は主人公の故国とか文章の雰囲気とか、かなり藤沢周平に似ているような気が……。もしかして「周平レプリカ作品」を狙っているのかも知れない。