今日の本

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

身体の文学史 (新潮文庫)

身体の文学史 (新潮文庫)

「オリガ・モリソヴナの反語法」いつものようにエッセイかと思ったら、小説だった。でもあまり違和感ないな。

「身体の文学史」はのっけからノリが濃い。

文学史というものが存在することは、以前から知っている。それが論理的に可能であるのかどうか、そこがよくわからない。そもそも歴史一般がなぜ可能なのか。

シーラカンスから人に至るまでにも、すでに五億年が経過している。なぜそれが、一時間で読める「物語」になるのか。

一生かかっても読み切れない進化史なら、それを書くことも個人には不可能である。個人に書き切れない歴史を、よってたかって多勢で書いたとしても、今度はだれがそれを読むのか。だから進化史ではなく、物語としての進化論が、実際には優越する。

と、まあいきなり根っこからちゃぶ台返しのようなノリで始まる本だ。ページ数は少なめだが、この調子だと何が起こるやら……。