[机上] 問題は、本だ

マンガはまだいい、立ち読みできるから。あるいはマンガ喫茶に1時間くらい籠もって読むという手もある。

しかし本はなかなかそうは行かない。本を立ち読みで読破するなんて、ちょっと無理。高校生の頃はマジでそれをやったこともあるが、それは単に絶対的に金がなかったからで、今なら普通に買うだろう。だいたい文庫本であっても、1時間やそこらで読破するのは難しい。よっぽど中身の薄い本なら別だが。

本というものは読み終えるまでそれなりに時間がかかるものなので、それなりにリラックスして読みたい。布団に寝っ転がって読むとか、喫茶店でコーヒーを啜りながら読むとか、電車の中でガタンゴトンと揺られながら読むとか。余談だが、電車のあの揺れってなぜかリラックス効果抜群だよな。座って本読んでると、すぐ寝てしまう。

ともかく、本を読むにはリラックスできる環境が欲しい。そしてそういう環境で本を読むとなると、やはり購入せねばならない。たとえ1回かぎりで読み捨てにするような本でも、落ち着いて読むには買わねばならんのだ。

しかも最近の文庫本は高いよな。平気で800円とかするし。こないだ買った奴(「ピアノ・ソナタ」S・J・ローザン ISBN:4488153038)は本体価格が980円。消費税を含めると4桁の大台に乗っている。いや、べつに「ピアノ・ソナタ」が読み捨てレベルと言っているわけではないが。まだ読み始めたところだし。前作もけっこう面白かったし。

しかし世の中には読み捨てレベルの本もやはりあるわけだ。そういう本を買ってしまうと、なんか妙に金を損したような気分になる。まあ実際には週末の2日間を1000円以下で暇つぶし出来たのだから、コストパフォーマンスはけっして悪くないんだが。でも俺は本というのは所有するもの、必要なとき、あるいは単に気が向いたときに、取り出してきて読むもの、という思い入れがあるので、古本屋に売り払うしかないような本が目の前にあるとガクーリきてしまう。○| ̄|_

文庫本なんて、BOOK OFF に売ってもせいぜい50円、いや20円くらいか? 売っても手間賃くらいにしかならないし、かといって自分で持ってても場所ふさぎだし。文庫本のつまらない奴なんて、読み終えた後はほとんど負債といっしょだ。なんて言うんだろう、こういうの。不良資産?

ちなみに、俺の部屋の半分近くを本が埋めており、その半分近くが不良資産だ。いやはや。

もしかして、全体の半分がつまらない本というのは、ありがたい事なのか。全部が所有する価値のある本だと、もはや場所を空ける可能性が無い、ってことになるからな。

ともかく、既に置く場所もないところに本を買うのだから、せめて場所を占有するくらいの価値はあって欲しい。場所を占有するからには、1年に2、3回くらいは読み返す気になるような本であって欲しい。1年に2、3回くらい読み返す気になる本が200冊もあれば、俺はもう新しく本を買わずとも幸せになれる。いや、きっと新しいのも買ってしまうだろうとは思うが、とにかく片っ端から新しい本を消費しまくるような状態ではなくなるはずだ。

はずだ、と思うが、落ち着いて考えてみると良い本が200冊あろうが20000冊あろうが、本を買うのを止められるはずがないという気がする。むう、やっぱりこれは机上の空論というべきか。